工場床塗装が剥がれる本当の原因は?油と水分への対策が鍵

こんにちは!福井県坂井市を拠点に、工場・プラント塗装から一般住宅まで幅広く手がけている村井塗装株式会社です。


「工場の床塗装を何度塗り直してもすぐに剥がれてしまう」「自分たちで補修したけれど、数週間でまたボロボロになってしまった」そうお悩みではありませんか?工場の床は過酷な環境にあるため、同様のトラブルを抱えている担当者様は非常に多いものです。


実は、床塗装が短期間で剥がれてしまう原因の多くは、塗料の性能ではなく、施工前の「下地処理」や「水分・油分の診断不足」にあることをご存知でしょうか。


そこで今回は、工場床塗装が剥がれてしまう「本当の原因」と、再発を防ぐための正しい補修方法について、プロの視点から詳しく解説していきます。



■工場床塗装が剥がれる真の原因



工場の床塗装が短期間で剥がれてしまう場合、その原因の多くは塗料の品質や「経年劣化」ではありません。実は、塗る前の「準備不足」や「現場診断の甘さ」にあります。フォークリフトや台車の走行による衝撃も影響しますが、根本的な問題は、コンクリートと塗料が正しく密着していないことに起因します。


・下地処理不足による密着不良


塗装工事において、塗料を塗る作業以上に重要なのが「下地処理」です。専門用語では「ケレン」や「目荒らし」と呼ばれ、コンクリートの表面を研磨して整える工程を指します。 ツルツルのプラスチックにシールが貼りにくいのと同じように、床面にも細かな傷(凹凸)をつけてザラザラした状態にしないと、塗料は強力に食いつきません。


単に高圧洗浄機で汚れを流しただけで塗装してしまうと、密着力が弱く、すぐに塗膜が浮いて剥離する原因になります。ショットブラストなどの専用機械を使い、劣化した表面や脆弱な層を削り落として、塗料が浸透しやすい健全な下地を作ることが、耐久性を確保する絶対条件です。


・コンクリートの油分と水分


一見乾いているように見えるコンクリート床でも、その内部には塗装の大敵が潜んでいます。特に機械加工の現場などでは、長年の操業で機械油が床の深層まで染み込んでいるケースが少なくありません。 油分が残ったまま塗装をするのは、セロハンテープの接着面に油を塗るようなもので、塗料は決して定着しません。


また、地下からの湿気や洗浄時の水分がコンクリート内部に残っている場合も同様です。水分が蒸発しようとする圧力で塗膜を内側から押し上げ、「膨れ」や「ひび割れ」を引き起こします。これらは表面の清掃だけでは解決できないため、含水率計などを用いた専門的な診断が必要です。


・プライマーの選定ミス


プライマーとは、下地であるコンクリートと、仕上げの上塗り塗料を接着させるための「下塗り材」のことです。いわば、床と塗料をつなぐ「強力な両面テープ」のような役割を果たします。 このプライマーの選定を誤ると、どれほど高価で耐摩耗性に優れた仕上げ塗料を使っても意味がありません。


例えば、どうしても油分が除去しきれない床には「油面用プライマー」、湿気が多い場所には「湿潤用プライマー」といった、特殊な機能を持った製品が必要です。現場の環境や床の状態を無視して、一般的な汎用プライマーを使用してしまうことが、早期剥がれの大きな要因となっています。



■DIY補修のリスクとプロの必要性



「狭い範囲だから自分たちで直そう」と、ホームセンターで塗料を買ってDIY補修を試みる工場様は少なくありません。しかし、工場の床はフォークリフトの走行や薬品の付着など、過酷な環境に晒されています。専門的な知識と専用の設備がない状態での安易な補修は、すぐに再剥離を招き、かえって状況を悪化させるリスクが高いため注意が必要です。


・自分で塗るとすぐ剥がれる理由


市販されている一般向け塗料の多くは、扱いやすさを優先した「1液型」と呼ばれるタイプです。対して、プロが工場で使用するのは、主剤と硬化剤を現場で混ぜ合わせ、化学反応によって強靭な塗膜を作る「2液型」のエポキシ樹脂やウレタン樹脂が主流です。


これらは摩耗や衝撃への耐久性が段違いですが、調合比率や温度管理が難しく、専門知識がないと正しく硬化しません。 また、決定的な違いは「下地処理」の機材力です。プロはショットブラストなどの大型機械でコンクリート表面を削り出し、強固な密着を実現します。


・業務停止時間のロスとコスト


DIY補修で最も見落とされがちなのが、失敗した際の手戻りによる「見えないコスト」です。塗装が剥がれるたびに、再施工のために生産ラインを停止し、機械や荷物を移動させる手間が発生します。この「業務停止時間」による生産利益の損失額は、業者への依頼費用を大きく上回ることも珍しくありません。


さらに、市販の塗料は乾燥に長い時間を要するため、「翌朝になっても乾いておらず、作業ができない」といったトラブルも多発します。プロの専門業者であれば、速乾性の材料や特殊なUV照射工法などを駆使し、夜間や休日だけの短時間施工で完了させるなど、工場の稼働スケジュールに影響を与えない最適なプランを提案できます。



■剥がれに強い塗料の選び方



工場の床塗装において、あらゆる現場に対応できる「万能な塗料」は存在しません。「熱に強い」「酸に強い」「衝撃に強い」など、塗料ごとに得意分野が明確に異なるためです。剥がれを防ぐには、価格や色だけで決めるのではなく、それぞれの樹脂の特性を正しく理解し、自社の使用環境にベストマッチする種類を選定することが重要です。


・エポキシとウレタンの違い


工場床で最も一般的に使われるのが「エポキシ樹脂」です。この塗料の最大の特徴は、コンクリートのように硬くて強靭な塗膜を作ることです。摩耗に非常に強いため、フォークリフトが走り回る倉庫や、重量のある機械を設置する現場で圧倒的な支持を得ています。


一方、「ウレタン樹脂(特に水性硬質ウレタン)」は、エポキシの弱点をカバーする性能を持っています。具体的には「熱」と「薬品」への強さです。エポキシは熱に弱く、熱湯がかかると変色や剥離を起こしやすいですが、硬質ウレタンは100℃以上の熱水や蒸気洗浄にも耐えられます。


・現場環境に合わせた耐久性


塗料の耐久性を確保するためには、工場の「環境」を細かく分析する必要があります。例えば、屋外のトラックヤードや資材置き場の場合、紫外線に弱いエポキシ樹脂を塗ると、短期間でチョーキング(粉を吹く現象)を起こして劣化します。この場合は、耐候性に優れたアクリル樹脂やフッ素樹脂などが適しています。


また、精密機器工場では静電気によるホコリの付着を防ぐ「帯電防止タイプ」、酸やアルカリを使うメッキ工場では専用の「耐酸・耐アルカリタイプ」が必要です。「高い塗料=長持ち」という考えを捨て、「現場で何が起きているか(熱・油・薬品・紫外線)」に合わせて機能を選ぶことが、再施工のリスクを減らす近道です。



■床補修の費用相場と依頼のコツ



工場の床補修を検討する際、最も気になるのが費用対効果です。単に見積もりの総額だけで比較すると、重要な工程が省かれている可能性があり、結果として「安物買いの銭失い」になりかねません。適正な相場を知り、信頼できる業者を選ぶことが、長期的なコスト削減につながります。


・補修費用の目安と内訳


床塗装の費用は、使用する塗料の種類と「塗膜の厚み」によって大きく変動します。例えば、人の歩行が中心で防塵を目的とした薄膜タイプであれば、1平方メートルあたり2,000円〜4,000円程度が相場ですが、フォークリフトが頻繁に走行する厚膜タイプ(エポキシ樹脂など)の場合は、4,000円〜8,000円程度が目安となります。 ここで特に注意すべきなのが、見積もりに含まれる「下地処理費」です。格安の業者はこの工程を簡略化しているケースが多く見られます。


初期費用が少し高くても、ショットブラストなどで徹底的に旧塗膜や汚れを除去して下地を整える工法を選んだ方が、耐用年数が数倍伸びるため、長い目で見ればトータルの維持コストを低く抑えることができます。


・長持ちさせる業者の見極め方


失敗しない業者選びのポイントは、提案時の「診断力」にあります。ただ現場の面積を測って見積もりを出すだけの業者ではなく、「なぜ剥がれたのか」の原因調査に時間をかける業者を選びましょう。水分計での測定や、油分の浸透具合の確認を行わずに施工すれば、再発のリスクが高まります。


また、提出された見積書の内容も重要です。「塗装工事一式」と大雑把に記載するのではなく、「下地処理の具体的な工法」「使用するプライマーの商品名」「塗り回数」などが明記されているか確認してください。



■まとめ


工場の床塗装が剥がれてしまう原因は、単なる「塗料の寿命」ではなく、目に見えない「下地処理の不足」や「環境とのミスマッチ」にあることがほとんどです。 「コストを抑えたいから」といって安易なDIY補修を行ったり、原因を特定せずに再塗装を繰り返すことは、結果として無駄なコストと業務停止時間を招いてしまいます。



■工場床塗装・プラント塗装は村井塗装へお問い合わせください!



福井県坂井市を拠点とする村井塗装株式会社は、創業昭和53年の実績を持つ「工場・プラント塗装」のプロフェッショナルです。 私たちは単にペンキを塗るのではなく、お客様の大切な資産を「守る」ことにこだわり続けています。


「油汚れがひどい」「操業を止めたくない」「熱湯を使う」など、工場ごとの厳しい条件に合わせ、最適な下地処理と高機能塗料を選定。夜間や休日の施工にも柔軟に対応し、生産ラインへの影響を最小限に抑えます。


現地調査による診断は無料です。「何度直しても剥がれる」とお困りの担当者様は、ぜひ一度私たちにご相談ください。現場の安全と効率を守る、長持ちする床を実現いたします!


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